こんばんは。yoshitoです。

結構前に書いた散弾銃の選び方の続編のような記事です。

最近散弾銃の用途についての問い合わせが多い気がします。
散弾銃は様々な用途、様々な形の銃がありますから、「なるべく一挺で全部やりたい」とか、とういった声が多いですね。

しかしクレー射撃をやるなら上下二連!
これはもう鉄板です。でもなんで?
(※トリプルトラップは自動ですが、日本ではまだできるところも少ないですし、ここでは割愛させていただきます。)

ということで今回は「クレー射撃はなんで上下二連なのか」というところをピンポイントで書きたいと思います。
(私は決してクレー射撃はうまくありませんし、ベテランさんには退屈な話になりそうで申し訳ないです)
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クレー射撃にはトラップとスキートがありますが、より上下二連銃に分があるのはトラップ銃です。



何故トラップは上下二連が有利?

第一の理由はずばり「銃身が2本あるから」です。


トラップには1つのクレーに追射と言って2発目を撃つことができるという特徴があります。

トラップ射撃はスキートと比べて距離がありますから、初矢(一発目)はインプモデやフルくらいの絞りが良いです。
絞りがあっているとクレーに鉛弾が当たる時にクレーにすり抜けられず、最大限広がっているちょうどいいザラ弾の広がり具合になるわけです。

追射の場合ですが、一回外してしまっているわけですから、もちろんクレーは1発目よりもはるか遠くにあります。
ということは追射の時はもっと絞りがきつい方がいいわけです。

トラップ用上下二連銃では下(初矢)はインプモデ、上(追射)はフルという組み合わせが多いです。
これなら初矢と追射、どちらでもクレーが割れる確率を最大限高めることができるのです。

単身の自動銃やポンプ式銃の場合、同時に使える絞りは一つですから初矢か追射どちらかしか最適な絞りは使えないというわけです。

※ダブルトラップやトリプルトラップは「追射」というものはありませんから絞りが2種類使えるというハンデは無いです。


さて、ここまで読まれて疑問に思っている方もいるかもしれません。
水平二連も銃身二つあるよ?と。
確かにそうです。絞りに関してのハンデはありません。

しかし水平二連の特色は「上下二連より機関部を小型化できる」ということです。これは射撃というよりは携帯性を高めて猟に生かすものです。銃としての設計コンセプトが違うので、強度などは上下二連の方が高いわけです。
重い方がリコイルによる跳ね上がりも軽減できるため水平二連のメリットはトラップ射撃では生かすことが難しいでしょう。
先台も小ぶりで構えると銃身に手が触れるので射撃でバンバン撃ってると銃身が熱くなってつらいことになります。

ただ、水平二連ってすごく絵になるんですよね~
個人的にはあの余分なものをそぎ落としたようなデザインにけっこう惹かれます。そのくせ焼き入れや彫刻は入っていたり、撃鉄が有鶏頭だったりしたりして。なんかロマンを感じてしまいます。
でも持つなら猟用ですね。鳥猟メインの方は考えられてもいいかもしれません。


スキートの場合は?
正直言うとある程度のレベルまでは構造的なハンデはあまり無いと思います。

もちろん細かいところを言っていくと強度、精度、バランスなど、専用銃のアドバンテージは上げるとキリが無いです。
が、いずれも慣れで解決できなくもないのでは?と思うことがあります。
あくまである程度のレベルまではですよ。実際射撃用の自動銃もありますから。
でもオリンピックを見れば漏れなく上下二連です。


スキートを自動銃やスライド式銃でやる場合、
・ガスオートの場合回転にガスを使うため弾の性能が最大限発揮されない
・スライド(ポンプ)銃の場合ダブルですごく忙しいし、先台がガタガタする。
・熟練者の連射速度に自動銃の回転が追いつけるのか?


というところがネックになってくるかなと思います。(私の連射速度には余裕で追いついていますが)



参考になったでしょうか?
こんなところも違うんだぞ!という意見がありましたら是非コメントにてご指導ご鞭撻の程よろしくお願いします。

ご閲覧ありがとうございました。